第一のステップ：発見時の対応と警察・医師への連絡

ご家族の孤独死が判明した場合、感情的にも混乱しますが、まずは以下の冷静な手続きを確実に行う必要があります。

1. 警察への連絡と検視・検死の手続き

• 発見したら、勝手に現場に触れず、警察（110番）に連絡します。
• 警察による現場検証と、検視（検察官による立会い）、検死（医師による死因の特定）が確実に行われます。
• これにより、事件性がないことが確認され、死亡診断書（または死体検案書）が発行されます。これは、その後の葬儀、行政手続き、保険金請求などに必須の重要書類です。

2. 葬儀・火葬の手続き

死亡診断書を受け取った後、役所に死亡届を提出し、火葬許可証の手続きを行います。この手続きは、通常、依頼する葬儀社が代行してくれます。

特殊清掃の手続きと費用：高額な負担への対策

孤独死の多くの場合、遺体の発見が遅れ、室内の汚染や異臭が発生するため、通常の清掃ではなく「特殊清掃」が必須となります。

特殊清掃の具体的な手続きの流れ

1. 専門業者への相談・依頼（複数業者からの見積もりを比較することが重要）。
2. 汚染された家財の撤去・廃棄。
3. 体液や血液などの除去と殺菌（原状回復の基本作業）。
4. オゾンなどを用いた消臭・脱臭（異臭の完全除去は専門的な技術が必要）。
5. 必要に応じたリフォーム（床材や壁材の張替えなど）。

特殊清掃にかかる費用の目安（高額になるリスク）

特殊清掃の費用は、発見までの時間（汚染の程度）、間取り、作業の難易度によって大きく異なりますが、一般的な目安は以下の通りです。

• 特殊清掃費用（1R～1K）: 15万円～50万円程度
• 消臭・脱臭・除菌費用: 10万円～30万円程度
• 不用品処分費用: 5万円～30万円程度
• トータル費用: 高額なケースでは100万円を超えることもあります。

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行政・相続の手続きと費用：負の遺産を引き継がない対策

孤独死後の手続きで、最も専門的かつ重要なのが相続に関する手続きです。負債のリスクを避けるための確実な対策が必要です。

1. 公共料金・賃貸契約の停止手続き

故人名義の電気、ガス、水道、電話、賃貸契約（不動産）の解約または名義変更の手続きを速やかに行います。

2. 相続財産の調査と相続放棄・限定承認の検討

故人に借金などの負債があった場合、単純承認（全て引き継ぐ）してしまうと高額な借金まで引き継ぐ失敗となります。

• 負債リスク対策: 故人の死亡を知ったときから3ヶ月以内に、相続放棄または限定承認の手続き（家庭裁判所への申述）を司法書士や弁護士に相談し、確実に行う必要があります。

3. 不動産の評価と心理的瑕疵（告知義務）

孤独死が発生した自宅（不動産）を売却する場合、「心理的瑕疵物件」として市場価値が大幅に低下するリスクがあります。不動産会社にはこの事実を告知する義務があります。特殊清掃やリフォームを丁寧に行っても、売却価格が低くなることを資金計画に含める必要があります。